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動脈硬化性疾患の予防と治療・・56 <2007.9.4>

 動脈硬化性疾患の新たなる危険因子・・スタチン系コレステロール低下薬と心血管死亡・・『海外におけるスタチンを用いた代表的な大規模臨床試験』・・心血管死亡低下と治療基準・6

 前回からの続きです。

 今回は、前回取り上げました『海外におけるスタチンを用いた代表的な大規模臨床試験』の内、既に、このシリーズの「53」で取り上げました、心血管死亡率の低下が得られなかった試験にあって、治療開始前の血中総コレステロール値(TCH、mg/dl)、LDL−コレステロール値(LDL−C、mg/dl)が、それぞれ、大櫛グループ基準、日本動脈硬化学会基準とのいずれに適合しているかの比較検討です。

 つまり、心血管死亡率の低下が得られなかった試験で、治療開始前のTCH,LDLーCにあっての、治療基準からみた適否の判定です。

 今回は、大櫛グループ基準からの検討です。

 ・ 心血管死亡率低下が得られなかった試験名と対象となった患者データは以下の如くです

試験名      平均年齢  女性% 心筋梗塞既往% 糖尿病%

ALLHAT−LLT  66     49     0         35

ASCOT−LLA  63     19      0         25

PROSPER    75     52     13        11

CARE       59     14     100       14  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・ 治療前後のTCH,及び、LDL−C と心血管死亡抑制%

試験名        TCH          LDL−C       心血管死亡率%

            治療前  治療後  治療前  治療後    

ALLHAT−LLT  224   184    146    105     NS  

ASCOT−LLA   213   163    131    90     NS

PROSPER     220    NA    147    98     NS

CARE        209   167    139    97     NS                                      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(NS; Not Significant, NA; Not Available)

 大櫛グループ基準と日本動脈硬化学会基準は、このシリーズの「54」に示してありますから参照してください。

 ・ 大櫛グループ基準からの治療開始前の検討

 1) ALLHAT−LLT,ASCOT−LLA試験での条件

   ALLHAT−LLT、ASCOT−LLAでは、それぞれの対象患者の平均年齢が、66歳(女性35%)、63歳(女性25%)。

 いずれの試験も、心筋梗塞既往%は、0です。

 糖尿病%は、それぞれ、35%、25%です。

 以上の条件にあって、大櫛グループ基準から見て、一番厳しい条件は、男性の喫煙者に当たります。

 その厳しい条件では、LDL−Cは、100〜160、 TCHは、100〜235となります。

 しかし、ALLHAT−LLTでは; LDL−C=146、TCH=224ですから、全ての対象患者が男性喫煙者であったとしても、治療対象患者とはならないことになります

 ASCOT−LLTでは; LDL−C=131、TCH=213ですから、ALLHAT−LLT同様、全ての患者は、治療対象患者とはなりません

 以上より、大櫛グループ基準では、両試験共に、治療の必要の無い患者をスタチン治療を行ったことになります

 それ故に、スタチン治療によって、心血管死亡率低下結果がNSでも当然と言えます。

 2) PROSPER試験での条件

   心筋梗塞既往者が13%含まれています。

   大櫛グループ基準では、その13%の心筋梗塞既往者は、LDL−C>100、TCH>180で、出来るだけ低く下げるとなります

  残りの患者では、厳しく判定しても、1)と同様の条件(LDL−C=100〜160,TCH=180〜235)となります。

  PROSPER試験では、治療開始前のLDL−C=147,TCH=220ですから、13%を占める心筋梗塞既往者以外は、治療対象外となります。

  つまり、心血管死亡率低下は、最大、13%となりますが、結果はNSと有意差無しの判定成績となりました。

 PROSPER試験では、およそ90%の患者が治療対象外ですから、結果がNSでも、あまり問題とはいえないと思います

 3) CARE試験での条件

   心筋梗塞既往者が100%を占めていますから、治療条件は、上述の如く、LDL−C>100、TCH>180の条件で、出来るだけ下げるとなります

  治療開始前のLDL−C=139、TCH=209ですから、治療対象患者となります

  治療基準値より、著しく高いとはいえませんが、心疾患死亡率低下は得られていません。

 しかし、スタチン治療後の値がLDL−C=97、TCH=167となっていますから、大櫛グループ基準から言えば、オーバーな治療となったためだとも考えられます

 以上より、大櫛グループ基準から見ると、CARE試験以外は、治療基準に反する患者を治療したとなります

 また、CARE試験では、LDL−C>100、TCH>180での治療条件の試験結果が必要となります。

 今回取り上げました試験では、いずれの試験も、大櫛グループ基準には適合した治療が行われていないことが問題との判定となります

 次回から、日本動脈硬化学会基準からの検討とします。

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