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動脈硬化性疾患の予防と治療・・54 <2007.8.30>

 動脈硬化性疾患の新たなる危険因子・・スタチン系コレステロール低下薬と心血管死亡・・『海外におけるスタチンを用いた代表的な大規模臨床試験』・・心血管死亡率低下と治療基準・4

 前回からの続きです。

 三回にわたって、海外の大規模臨床試験でのスタチン系薬剤による心血管死亡率低下の有無と血中コレステロール値(TCH,mg/dl)、LDL−コレステロール値(LDL−C,mg/dl)との関係に注目してきました。

 日本動脈硬化学会治療基準と大櫛グループ治療基準との大きな違いは、大櫛グループ基準にあっては心筋梗塞既往者を含めた全ての人に、TCH>180、LDL−C>100としていることです。

 一方、日本動脈硬化学会基準では、心筋梗塞既往者は、LDL−C<100となっています。

 その相違に注目して、心血管死亡率低下の有無を検討してきました。

 その結果として、大櫛グループ基準から判断した、TCH,LDL−C基準に有利な臨床成績結果となっているとの判定が有利だといえます

 そこで、次には、治療前のTCH,LDL−Cに注目して、それぞれの基準値から判断した時、スタチン系コレステロール低下薬投与の必要性があったかどうかの検討です。

 つまり、取り上げてきました、『海外におけるスタチンを用いた代表的な大規模臨床試験』から、心血管死亡率の低下の有効性と治療基準から見た治療開始前のTCH,LDL−C基準の適正検討です。

その前に、もう一度、比較し易いように、大櫛グループ基準と日本動脈硬化学会基準とを表示して、その違いをハッキリと認識しておきたいと思います。

 大櫛グループ基準

 大櫛陽一著「検査値と病気 間違いだらけの診断基準」(太田出版)のpp.176~178に『付録3』として取り上げられています。

 その概略は以下の如くです。

共同著者: 大櫛陽一、 奥山治美、 田中裕幸、 山門實

・ 心筋梗塞などの発症低リスク者のコレステロール低下薬の服用を検討すべき値

              総コレステロール値(mg/dl)

 年齢         男性       女性

 20〜24      220以上     220以上

 25〜29      230以上     230以上

 30〜34      240以上     240以上

 35〜39      250以上     250以上

 40〜44      260以上     260以上

 45〜49      260以上     270以上

 50歳以上     260以上     280以上           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  注;「男女とも、血中総コレステロール値は、180mg/dl以下にしないこと」

            LDL−コレステロール値(mg/dl

 年齢         男性        女性

 20〜24      140以上     140以上

 25〜29      150以上     149以上

 30〜34      160以上     157以上

 35〜39      170以上     166以上

 40〜44      180以上     174以上

 45〜49      180以上     183以上

 50歳以上     180以上     190以上           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  注;「男女共に、LDL−コレステロール値は、100mg/dl以下にしないこと」

・ 糖尿病患者での適正コレステロール値

            総コレステロール値(mg/dl)

            男性        女性

非喫煙者    180〜260     180〜280

喫煙者      180〜235    180〜280

            LDL−コレステロール値(mg/dl)

非喫煙者     100〜180    100〜190

喫煙者      100〜160    100〜190           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 コレステロール値、LDL−コレステロール値のいづれにあっても、それぞれ、180以下、100以下とはしない条件にあります。

・ 虚血性心疾患既往症と家族性高コレステロール血症のある人の基準範囲

 「出来るだけ、総コレステロール値とLDL−コレステロール値を下げることが望ましい」とありますが、「但し、総コレステロール値を180mg/dl以下、LDL−コレステロール値を100mg/dlいかにしてはいけません」とあります。

 以上より、大櫛グループによる『コレステロール治療ガイドライン』では、性別、年齢階層別とリスク別に、その治療基準値を設定していることが判ります

 またリスクのない人、リスクのある心血管障害の既往があっても、血中総コレステロール値を180mg/dl以下に、及び、LDL−コレステロール値を100mg/dl以下にすることのないように、その治療基準が定められていることです

 日本動脈硬化学会基準

 日本動脈硬化学会による『動脈硬化性疾患予防ガイドライ 2007年版』(協和企画)に示されています、「リスク別脂質管理目標値」と「カテゴリーと管理目標値からみた治療方針」からの提示となります。

 「リスク別脂質管理目標値」は、以下の如くに示されています。

 ・ リスク別脂質管理目標値

 カテゴリー                  脂質管理目

         主要危険因子の数#    LDL−C#  HDL−C#  TG#

 I;低リスク群     0             <160    ≧40     <150

 II;中リスク群    1〜2           <140    ≧40     <150

 III;高リスク群     3以上          <120    ≧40     <150                           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     

    冠動脈疾患の既往あり          <100    ≧40     <150                                    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     

 # LDL−C以外の主要冠危険因子の数、 LDL−C(LDL−コレステロール値、mg/dl)、 HDL−C(HDL−コレステロール値、mg/dl)、 TG(中性脂肪、mg/dl)

 # LDL−Cの主要冠危険因子は、以下の如くです

   ・加齢(男性≧45歳、女性≧55歳)、高血圧、糖尿病(耐糖能異常を含む)

   ・喫煙、冠動脈疾患の家族歴

   ・低HDL−コレステロール血症(<40mg/dl)

 以上、大櫛グループ基準との相違は、以下の如くです。

 ・ 冠動脈疾患の既往がある人でのLDL−Cが、100以下にコントロールする基準にあること。

 ・ LDL−Cは、男女別、年齢別による基準値に差がある。

 ・ 大櫛グループ基準は、低リスク、糖尿病患者と喫煙の有無、冠動脈疾患の既往者による基準値。

 ・ 一番の相違は、大櫛グループ基準では、リスクとは関係なく、LDL−Cは100以下にしない、血中総コレステロール値は、180mg/dl以下にはしないとあること。

 以上、今回の「リスク別脂質管理目標」にあっては、『冠動脈疾患既往のある人では、LDL−Cが、<100以下とあることです。

 次回には、まず、心血管死亡率低下が得られた大規模臨床試験成績での検討です。

 (Googleでは「スクアレン(スクワレン)とコレステロール・・8・・スクアレンによる血中コレステロールの回復・4」です)

 (楽天、ミクシイでは「素肌美障害とコレステロール代謝・・ステロイドホルモン・・植物エストロゲン・・大豆イソフラボン・12」です)

 (はてな日記では、『オタピー茶の湯; 日常茶飯の「こころ」』です)

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