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動脈硬化性疾患の予防と治療・・49 <2007.8.22>

 動脈硬化性疾患の新たなる危険因子・・スタチン系コレステロール低下薬と心血管死亡・・「わが国における代表的な大規模臨床試験」・・心血管死亡率低下無し・3・エイコサペンタエン酸が効く

 日本動脈硬化学会編集「動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2007年版」(協和企画)のpp.40〜41の表11にまとめられています臨床試験成績です。

 既に、取り上げましたデータです。

 血中総コレステロール値(TCH,mg/dl)、及び、LDL−コレステロール値(LDL-C, mg/dl)のスタチン系コレステロール低下薬による低下とその値、及び、心血管死亡率低下への効用です。

 しかし、その前に、今回は、試験名・JELISに注目した、EPA(エイコサペンタエン酸)の心血管死亡率低下を検討した大規模臨床試験についてとします。

 心血管死亡率の低下には、EPAの方が有効で、逆に、TCHやLDL−Cの低下程度問題、或いは、スタチン系コレステロール低下薬の効用に、限界を示す結果となっています。

 一方、試験名・KLIS、 MEGAでは、スタチン系コレステロール低下薬による心血管死亡率は認められていません

 試験名・PATEでは、判定が不明となっています。

 しかし、試験名・KLIS同様に、主要心血管イベントの低下も認められていませんから、心血管死亡率の低下が認められたとは、考えられません。

 試験名・JELISだけは、EPAによって、心血管死亡率の低下が24%認められているのです。 

 残念ながら、このJELIS試験は、スタチン系コレステロール低下薬の有効性が検討されたのではありません(但し、投与は成されています)

 EPAの効果の有無を試験したものとなっています。

 スタチン系コレステロール低下薬の投与が成されていなくとも、心血管死亡率低下が認められた可能性が十分あるとも推察されるのです

 つまり、JELIS結果は、心血管死亡率低下には、EPAが、スタチン系コレステロール低下薬より、有効だと言う結果を際立たせています

 逆に、血中総コレステロール値(TCH,mg/dl)やLDL−コレステロール値(LDL-C, mg・dl)は、心血管死亡率には関与していない可能性を示唆する結果となっています

 結果は、大櫛グループのよる『コレステロール治療ガイドライン 2006.03』に有利な結果となっていると言えます。

 試験名・JELISでの整理をしておきます。

 EPA投与量は、一日に1.8グラム摂取です。

 対象患者の平均年齢は、61歳、女性が68%を占めていました。

 患者背景の危険因子として; 心筋梗塞の既往者が20%、糖尿病が、16%に認められています

 試験期間は、4.6年となっています。

 その結果が以下の如くです

 TCH           LDL−C        心血管死亡率

 治療前  治療後   治療前  治療後

 275   223     182   137      −24       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・ 動脈硬化学会によるリスク別脂質管理目標のLDL−Cは、以下の如くとなります

  低リスク群; <160、 中リスク群; <140、 高リスク群; <120

  冠動脈疾患の既往; <100   

  つまり、対象患者の内; 20%は、LDL−Cを<100

  中リスク群以上(LDL−Cが<140)は、16%以上と予想されます

  LDL−Cは、<160以下のリスク者が多いとの推定になります。

 ・ 大櫛グループ基準では、以下の如くとなります。

  心筋梗塞既往者の20%は、それぞれ、TCHは180mg/dl, LDL−Cは100mg/dl以下にはしないように、出来るだけ低値にとなります

  糖尿病患者では、次のようです。

           LDL−C

          男性         女性

非喫煙     100〜180    100〜190 

喫煙      100〜160    100〜190             ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

           TCH 

非喫煙     180〜260     180〜280

喫煙      180〜235     180〜280           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 50歳以上の低リスク者では、次のようです。

          LDL−C

          男性         女性

          180以下       190以下             ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

          TCH

          260以下       280以下             ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

 JELIS試験では、女性が68%を占めていますから治療前のLDL−Cが182、TCHが275は、いずれも、リスクの低い女性では、下げる必要のないレベルにあると判ります

 女性の糖尿病では、LDL−Cが190まで、TCHが280までですから、治療前の値も、問題が無いことになります

 つまり、心筋梗塞既往者だけが治療対象者になるのです

 以上より、JELIS試験では、女性が多数を占めていても、EPAで、心血管死亡率の低下を認めた事実は、大櫛グループ基準で言えば、大多数がLDL−C,及び、TCHを下げる必要のない患者対象となります

 まとめて見ますと、試験名・KLIS,PATE,MEGAで、スタチン系コレステロール低下薬による治療が、心血管死亡を低下させていないのですからJELIS試験では、EPAのみで、心血管死亡の低下が得られる可能性を強く示していることになります

 以上、心血管死亡率の低下は、大櫛グループ基準に基づきEPA投与による大規模臨床試験が、大変重要と言えます。

 是非とも、EPA試験が行われて欲しいものです。

 (Googleでは「スクアレン(スクワレン)とコレステロール・・3」です)

 (楽天、ミクシイでは「素肌美障害とコレステロール代謝・・植物エストロゲン・大豆イソフラボン・・7」です)

 (はてな日記では『オタピー茶の湯; 日常茶飯の「こころ」』です)  

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